世紀の大工事”青函トンネル”を貫通させた測量技術

世紀の大工事”青函トンネル”を貫通させた測量技術

みなさん、こんにちは!本日もたのしい測量をご覧いただきありがとうございます!

今回の記事では、あの「青函トンネル」について取り上げてみたいとおもいます。
青函トンネルをご存知でない方はいらっしゃらないでしょう!!が、念の為概要を記載しておきます。

(以下Wikipediaより)

建設期間:
建設開始 1961年(昭和36年)3月23日
開通 1988年(昭和63年)3月13日

→なんとおよそ27年の歳月をかけて完成したトンネルなんですね!

技術情報:
軌道長 53.85 km(全長)
23.30 km(海底部)
電化の有無 有(交流25,000 V・50 Hz)
最低部 -240 m
勾配 12 ‰
最小曲線半径 6,500 m

→2016年6月1日にスイスのゴッタルドベーストンネルが開通するまでは、世界一の長さを持つ交通機関用トンネルだったそうです!そしてなんと今でも海底トンネルおよび狭軌のトンネルとしては世界一の長さと深さを持つ交通機関用トンネルだそうです!すごい!

そういえば以前NHKのプロジェクトXでも取り上げられていたことがあるみたいです。のべ1400万人の方が携わり、なんと当時30名を超える方が建設のために殉職されたそうで、想像を絶する過酷な工事だったのでしょう。

そんな先人の方々の大変な努力の結晶である、ありがたい青函トンネルですが、測量の観点からみてもとてつもない偉業を達成されていらっしゃいます。

前述の通り、海底部の軌道長は23.3キロメートルとなってるのですが、青森側・北海道側から双方12キロ程度ずつ掘り進めてちょうど津軽海峡の真下くらいで貫通するような工事だったそうです。(ちなみに、貫通したのは1985年)

貫通時の双方から掘り進めた穴の誤差がなんと縦20cm、横60cm!すごい!誤差は誤差ですが、すれ違っても肩がぶつかるくらいの誤差です!これを海の下の土の中を12キロずつ掘り進める工事で実現したのが信じられない。

貫通誤差を縮めた測量技術

トンネルでの測量の難しいポイントはなんといっても、工事現場を客観的に確認できないことにあります。

掘り進める前に三角測量によるトンネルの方向や角度の決定をし、水準測量で高低差を調整して、「さぁ、掘るぞ!」となるわけですが、掘っている方向や高低差のずれは土の中ですから外から確認して修正することは出来ません。

ここで坑内測量の出番となります。文字通りトンネル内での測量によって、誤差を修正していくことになるのですが、高温多湿であったり、霧が発生するなどトンネル特有の問題が発生する中での難易度の高い測量であったようです。

そして、誤差を少なくするためにトンネル口からの測量を繰り返し行ったそうですが、相応の時間がかかるため、トンネル工事に支障をきたさないように年末年始やお盆等のトンネル工事が休みの間に測量をする必要があったそうです。

更に、トンネルの採掘に利用する様々な機器が発する熱で、光の屈折が起こるために測量に誤差が生じることが工事中に発覚し、その解決策を研究しながら打開したというドラマがあったとのこと。すごい。

そして、最終的に双方の掘り進めるトンネルがちゃんと貫通するために、「貫通測量」が行われます。これは当初の三角測量、水準測量からそれまでの坑内測量の結果を交えて膨大な演算を行い、「トンネルはちゃんと出会うのか!?」を検証する作業です。

しかもこの時点で水平方向の誤差は約70cmであると推測できていたとのこと。すごい。となると、掘り終わったときの誤差は既に誤差とは言わないのではないかと思いますが。。。。

青函トンネル工事は当時かなり高性能は機器が使われ、膨大な測量工数が投じられたようです。それで27年の歳月をかけて、実際にほぼ誤差がなく完成するという。

津軽海峡沿いの沿岸部は測量に適した環境ではなかったらしく測量自体が難航したようですし、更にトンネル内の環境は想像を絶しますが、そのような環境の中で幾度となく測量と演算を繰り返し、この難工事を完遂した先人たちに敬服しっぱなしであります。

当時の資料はこちらから