【札幌のコース計測が難航中】成功を祈り「マラソンの距離と測り方」を解説

【札幌のコース計測が難航中】成功を祈り「マラソンの距離と測り方」を解説

最近話題の東京オリンピック…マラソンは札幌開催となるようで、何やら世間を騒がせています。雪によってコースの距離測定が困難というニュースも出ており、計測は2020年4月以降に延期される可能性もあるとのこと。ご関係者の皆様大変お疲れさまです。
今回はそのマラソンの距離、に着目して解説いたします。

なぜ42.195km?マラソンの由来とは?

まず、なぜマラソンの距離は42.195kmと決められているのでしょうか。なんとなく42kmでも中途半端な気が…42.195km…。
いったいマラソンの距離はどうやって決めているのでしょう。そんなに長い距離を正確に測る方法とは…。ということでちょっと見ていきましょう。

まずマラソンの由来ですがこれは様々な説があります。古代ギリシャの戦士が勝利を報告するためにマラトンからアテネまで走ったのち、絶命したことが起源とされているのが有名でしょうか。このマラトンという地名を英語読みして「マラソン」とされたようです。

また、マラソンの距離は今でこそ42.195㎞と決められていますが、かつては距離は一定ではなく大会ごとに異なった距離を使っていました。

しかし、ある出来事がきっかけで、距離を42.195㎞と定めることになったとされています。それはイギリス王妃のわがまま…。(諸説あるのではっきりとは申し上げられませんが…。)

第4回ロンドンオリンピックでは当初予定されていたのは国王の住むお城から競技場までの42㎞程度のものでした。しかし、王妃が「走り出す瞬間を部屋の中から見たいからスタート地点は城の庭にして、ゴールは目の前で見たいから競技場の私の席の前にしてちょうだい…。」というわがままを言ったため、当初予定していた距離よりもちょっと伸びて、42.195㎞になったと言われています。

また、「トランドの悲劇」と呼ばれる話もあります。
トランド選手はこのロンドンオリンピックの時に1位で競技場に入ってきました。しかしゴール直前であまりの疲労で何度も倒れてしまいます。ここで係員の手を借りて1位でゴールしますが、2位の選手が猛抗議…。

これによってトランド選手は失格になりますが、数多くの人を感動させ、世界的な有名人になります。そして、このような出来事を経て、42.195㎞になったとされています(本当はもっといろいろな話があるようですがここでは割愛させていただきます…。)

さて、こうして距離は決まったものの、走る場所が違うと、距離も毎回測りなおさなくてはいけません。

では実際にどうやって測っているの?

さて、ここからは本題の「こんなに長い距離をどうやって正確に測っているのか」ということについてまとめていきます。
マラソンの距離の計測には主に2つの方法が用いられています。

1. ワイヤーロープを用いる方法

直径5㎜、長さ50mの鋼鉄製ワイヤーを使用します。
50mを計測→印をつけて歩いて移動→50mを計測→印をつけて…とひたすら繰り返していきます。単純計算で42.195㎞÷50m≒844回と気の遠くなる作業です。

また、ワイヤーも歩いている間引きずってはいけないことや、気温の関係で伸びたりすることを防ぐために作業時間が限られていることもこの作業を大変にしている要因です。

2. 自転車にカウンター計を取り付けて計測する方法

自転車に回転測定器と呼ばれるカウンターをつけ、基準の距離(概ね400m)をカウンター数に換算して計測します。この時距離の減少を防ぐため、0.1%を加えて計測します。自転車は1台ではなく数台使って計測します。

まず400mを正確に測ります。自転車といえどもすべてが同じというわけにはいきません。乗る人も違えば、天気なども違うのでそうした差を少なくするため、その後、自転車で数回走行し、回転測定器のカウンターが400mを示すようにタイヤの空気圧などを調整していきます。

そして全コースのどこにポイントをつけるのかを決めて、仮ポイントとして印をつけていきます。そして正確な距離を求めていき、精度が確保されたら金属びょうなどを埋め込んでいきます。

しかし、どちらの方法も「どこをどう測るのか」によっても差が出てきてしまします。マラソンのコースにはカーブもあり、単純な直線道路だけではないからです。そこで登場するのが「長距離競走路ならびに競歩路公認に関する細則」です。

内容が細かすぎるので、簡単に記述すると、距離をより正確に計測するために、「道路のどの部分を測るのか」も決まっています。

  • 基本的には歩道側の端から30㎝車道側
  • 左カーブは歩道側の端から30㎝車道側
  • 右カーブは道路のセンターラインから30㎝内側
  • S字カーブは直線で最短のところ

とされています。こうした細かい決まり事によってコースの距離をより正確に測ることができるようにしています。

最後に誤差についてですが、先ほど400mに0.1%を加えるお話をしましたが、この0.1%が誤差の許容範囲です。よって42mとなります。そして距離は少しでも足りないと公式記録として認められなくなってしまうので、プラスマイナス42mではなく、プラス42m以内という誤差で認められています。

しかし、とあるレースで距離不足により非公認になってしまったレースもあります。このレースでは48mも短くなってしまいました。時間にすると10秒前後でしょうか。
何やら印としていた、金属びょうを勘違いして以前からあった違うレースのものを使用してしまったようです。

こうした勘違いによるものも含め、距離不足による非公認レースにならないように、正確な距離測定を数多くの人が関わって行っています。

まとめ

このように細やかな決まり事と、何度も繰り返す作業の正確さを追及して正確なマラソンの距離を計測しています。

この計測は5年ごとに公認コースとして更新するときや、新しいコースができる度に行われています。また、マラソンレース当日も選手よりも少し前を自転車計測をしている人を発見できることがあるようですので、気になる方はぜひとも探してみてください。