【納得】海底の地形を把握する「海の測量」の仕方

【納得】海底の地形を把握する「海の測量」の仕方

先日まで、サケが釣れるぞーとのことで海に行ってきました。
しかし、待てども待てども一向に当たりはない…。全然つれないじゃん!!と思っていると、何やら向こうのほうではバンバン連れている…。ピョンピョン跳ねる鮭を横目に…巻き上げてみるも餌に食いついている様子もなし…。

そこで釣れている人たちにお話を伺ってみました。そうすると何やら深いところのほう釣れるということで、地形に注目して移動してみました。するとバンバン釣れる!!ということはありませんでしたが、先ほどよりもあたりが多くなりました。…結局釣れなかったことはまたのお話にして…。

海の地形といえば、深くなっていたり、浅くなっていたりといったいどうやって測量しているのでしょうか。水中を測りたいのだから、水の中にもぐってスタッフを立てている?スタッフが届かないようなところはTSのレーザーも届かないのでは?

ということで海の測量についてちょっとまとめてみました。

船の測量と陸の測量

1. 位置がその時々で一定ではない

海では船の上で作業しますが、今いる場所からどちらの方向に進むのかはっきりさせなくてはいけません。なのであらかじめ、横断方向に見出し杭を打ち込んだり、防波堤に印をつけたりと準備を行ってから作業に入ります。
これは陸上でいう横断方向の見出し杭を打ち込む作業と同じですね。そのため、陸上でも行う基準点測量などは同様に行う必要が出てきます。

ただ、陸上との大きな違いは、補助基準点を出した場合、必ずしも㎝や㎜単位での精度が必要なわけではなく、測量図の展開や潮位などに支障をきたさない精度でいいことが多いようです。ですが点検測量を行う場合は必ず閉塞させておく必要があるので、開放で終わらせないようにしなくてはいけません。

しかし、海ではGPSも使って位置情報を得ていますので、現在どこにいるかなど正確な位置情報はGPSを使うことになります。先の作業もあくまでも横断の進行方向を表している、ということになります。

このGPSも今でこそ一般的になったと思いますが、以前までは後方交会法で行ったり、陸上から位置を誘導して行ったり、ワイヤーロープを使用して距離を計測しながら…と様々な工夫の上で観測されていました。

陸上だと測線を出したら、観測しようとその場所に行けば観測することができますが、海上では波の昇降があったり、流れがあったりして同じ位置で続けて観測を行うことが非常に難しくなります。

だからこそ、「どこで」観測したのかはっきりとわかるように様々な工夫がされてきたことがわかります。

2. 測深機を用いた測量

陸上では観測したい場所にスタッフやミラーなどを立てて観測していきますが、海では深さを知りたいときに何十mも潜って測るわけにはいきません。
ですから測深機を用いて測量していきます。これは様々なものがありますが、直接地面に直線の音波を発信する「シングルビーム測深」、扇状に発信する音波によって面で測量を行う「マルチビーム測深」などがあります。

シングルビームはノイズとなるものが多い場所や、直下の状況をよりはっきり観測したい場合などに用いられることが多いです。逆にマルチビームは面で観測することができますので、より広い範囲を数少ない測線で観測することができます。

測深機自体は、振動を出し、それが地面にあたって反射する時間を計測することにより、その地点の深さを測ることができるというものです。この時の振動が単一波のものや、いくつかの波を合わせたものなどでシングルビーム、マルチビームと種類が分けられています。
現在では科学技術も進歩していますから、マルチビームを用いて3Dデータをそのまま観測することができるものも出てきています。

また、広範囲における推進測量の場合は飛行機などに乗って、航空レーザーによる測量を行う場合もあります。
陸上では実際にトータルステーションを用いて、プリズムミラーやスタッフの位置を観測することでX,Y座標や高さを求めています。これは光のレーザーの反射してくる時間を計算し、算出しているのに対し、測深機では光ではなく振動の波を使っているという点で大きく異なっています。

3. 観測データに関すること

実際に観測すると海では波がありますので、船の上から音波を出しても波が高い時と低い時では深さに差が出てしまいます。(記録紙上に記録される線がギザギザと波を大きく打ってしまう。)
データをそのまま利用できる場合もありますが、記録紙上で基準線を決め、水深を読み取らなくてはいけません。

ここで登場するのが観測前に必ず行う「バーチェック」です。バーチェックとは送受派器のすぐ下に反射板を2mごとに下降上昇させて、その記録をとることで、仮定音速と実音速の比を決定する方法のことを言います。

通常、海域に於ける音速比率は、±5%程度の範囲の差があり、0.5%づつのスケールが用意されて、バーチェック記録に合致する補正値(パーセントスケール)を選択して使用しています。いくら振動を出すことで正確な深さを読めると言っても誤差はやはりあるということですね。

次に解析は、記録紙の水面から読み取り、潮位を差引く方法と、直接記録紙に基準線( 潮位 ±0m)を入れて読み取る方法があります。
水深の基準面は平均海面から算出した最低水面などを用いて計算していきます。
この作業もポジションとしては、陸上ではトータルステーションのデータを計算ソフトに取り込み計算をかける作業と同じようなものになるかもしれません。

しかし、海の測量では、それぞれ観測してきたデータに対し、手作業でやることが多いです。パソコンでやる場合と違って、間違っても簡単にやり直せるものばかりではないことが多く、細かい作業ですが間違えないように丁寧に取り組む必要があります。

ということで、海の測量と陸の測量で大きな違いや似ているところを簡単にまとめてみました。

進行方向をはっきりさせる 見出し杭を打つ
観測地点ごとに位置確定が必要(GPS) 測点ごとに器械点移動
基準点はどちらも必要(精度は異なる)
測深機を用いた測量(振動) トータルステーションを用いた測量(光)
手作業が多い 手作業が少ない

このようになっています。原理原則となる部分は大きくは異ならないように感じますが、所々で違いがあったりするようです。

まとめ

長々とまとめてきましたが、海の地形はこうやって観測されていることがわかりました。光が届かないことや、潜って深いところを観測できない分、振動の波を使って観測するなど、様々な工夫がされている海の測量でした。